私は決行の時間までサンタを待つ子供のような気持ちでいた。何度も廊下に出ては階段の下の様子を窺い、母たちが寝静まる
のを今か今かと待ちわびる。母たちが寝た後も、携帯を意味もなくいじくったり、マイルス・デイヴィスを一曲聞き終わりもし
ないまま、次にはB’zを流しているという始末。パイプベッドに横になり高校の友達と撮った馬鹿げた写真を眺める。すると、
ある考えが頭を過った。写真――カメラ……。私
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