外は雪。
しんしんと降り積もるその様子は、昔話の世界のようだった。
谷あいの村なので、空は山に切り取られて少ししか見えない。
妹のさと子とあたしはやぐらコタツにはいってごろごろしていた。
すると、そーっと、障子があいた。
音はしなかったけど、冷たい風がさぁっと入ってきたからわかった。
「たいっちゃんやろ。はよ閉めて。さぶい」
あたしは本を読みながら言った。
「めっかった」
↧